釜揚げの名店でなぜか人間関係に悩む @長田うどん
長田うどん
まんのう町にある釜揚げで有名なお店。
釜揚げといえば善通寺にある「長田in香の香」があまりにも有名だが、元々は「長田うどん」があり、そこから従業員が独立?して「長田in香の香」ができたようだ。詳しくはわからないが。
長田うどんは、冬の間何度も食べようとしてチャレンジしてきたのだが、玉切れや臨時休業などで3,4回ふられ続けてきた。
暖かくなってきた今なら釜揚げを求めてくるお客さんも少しは減るかも、と思って訪問。
ちなみに、長田うどんと交差点を挟んで対角線上には、自分でする大根おろしとしょうゆうどんで有名な小縣家がある。
以前はその近くにもう一軒有名店があって「まんのうトライアングル」なんて呼ばれていたらしい・・
平日12時ちょうどころ、行列はほとんどない。
スムーズに注文できた。
一般店ではあるが、席につく前に注文口でうどんを注文。
同時にお金を払う。
釜揚げを思う存分食べたかったので、釜揚げ大400円にする。
おにぎり、おでんなどサイドメニューもあったが我慢。
注文と同時に木の札を受け取る。
5分ほどして、番号が呼ばれ、店員さんがうどんを持ってきてくれる。
つけダシを入れる出汁コップ(店内に張り紙があったのでこの呼び方であっていると思う)も、うどんを運んでくる時に一緒に店員さんが持ってきてくれる。
釜揚げうどんのつけダシは、テーブルにおいてある特徴的な徳利に入っている。
昔話にでてくる老人が酒を呑むときに使うような徳利だ。
この徳利からダシを入れる方法が難しい。
なにも知らない人が入れるとかなりの確率で失敗するか、やけどする。
というのも、この徳利、アツアツのダシがなかに入っているので、外側もものすごく熱いのだ。
徳利の本体を持とうとすると火傷するのは必至。
ではどうするかというと、徳利の口付近にある紐をむんずと掴んで徳利を斜めに寝かせる。
そのときに、徳利の下の部分をテーブルにつけておくことが重要、決して浮かせてはいけない。
テーブルと底部分の接点、そして口にある紐、この2点で支えながら徳利を斜めにするのだ。
さらに注意が必要なのは、徳利の口がテーブルの外にはみ出すような位置関係にして置くこと。
そうして、徳利の口の下に出汁コップをセットし、斜めに傾けた徳利の口からダシを注ぐのだ。
徳利の口がテーブルの上にある状態でこれをすると、斜めにする角度が浅すぎてダシがでてこないという問題が発生するので注意が必要。
ちょっと熱くなって色々と書いてしまったが、やってみれば簡単なこと。
常連さんぽい人は、上で説明したようなやり方を自然にやっているので、一度でも見ればすぐにわかる。
さぬきうどん店一般に言えることだが、作法に迷ったらまずは常連さんの振る舞いを観察することが重要。
常連さん振る舞いの真似をすれば大体のことは解決できる。
もっとも、お店に入ったらお客さんが自分一人だったり、常連さんがあまりにも常連さん過ぎて他のお客さんがやらない作法をしていたりとトラップも多々あるので注意が必要だ。
結局、お店の人に聞くのが一番安心安全だ・・・・・
まあ、それをしたくないから常連さんを観察するのだが・・笑
話が脱線した。
うどんが到着。
さっそく上記のやり方で出汁コップにダシを注ぐ。
長田うどんはダシのうまさが特徴。
まずは香りを楽しむ。いい香り。
と、ここでテーブルの斜め前に座っていたおばさんから、突然話しかけられる。
おばさんは親切な方で、目の前にあったネギやしょうがなどの薬味を「これ使いなさい」といって手渡してくれる。
長田うどんでは、ねぎ、しょうが、ごま、七味などの薬味はテーブルに置いてあるのだ。
写真を撮ったりして悠長に食べていたので、一見の観光客と思われたのだろう。
「しょうがをダシに入れて食べるとおいしいのよ」とか、「出汁はその徳利から入れるのよ」とか、いろいろとアドバイスしてくれる。
大変ありがたい、香川県民のやさしさを感じる。
このお店の一見さんではあるものの、既に350軒以上のうどん店を食べ歩いている身としては、基本的なことはわかっているつもりだが謙虚にお話を聞く。
親切なそのおばさんが、「ダシにしょうがを入れなさい、美味しいから」とかなりしょうがをおしてくる。
釜揚げのつけだしにしょうがを入れると美味しいのは知っているのだが、私は最初はしょうがは入れず、そのままのダシを味わい、少し飽きが来た頃にしょうがを入れるのが好き。
なので入れないでおこうと思ったのだが、おばさんはしきりにすすめてくる。
ちょっと困ったなと思いつつ、頑なに入れないのも気まずいのでダシに直接入れず、麺の入っている器に少しだけ入れた。
頃合いをみて、少しずつダシの方にいれればいいやと思っていた。
ところがおばさん、それを目ざとく見つけて「そっちにいれるんじゃないのよ!ダシにいれるのよ!」と指摘をしてきた・・・
いや、それはわかっているんだけど・・、と思いつつ、いまさら「分かってます、しょうがはもう少し後になって入れたいんです」とは言えず。
やむなく、「そうでしたか」なんていいながらダシにしょうがを投入してしまった・・・
ああ、ダシの味をもう少し味わいたかった・・・ちょっと後悔・・
うーん、こんなことなら最初から「しょうがは苦手なんです」とか言っておけばよかったのか・・いや、それだと後から入れるのも気まずくなるので「しょうがは後入れ派です」とでも言うべきだったか・・・いやはや人間関係は難しい
まさかうどんを食べに来て人間関係に悩むとは思わなかった 笑
そんなやりとりがあったものの、うどんは期待通りの美味しさ。
もっちりとして適度にコシも感じられる密度の高い最高の麺。
麺の表面がちょっとぬるっとした感じも心地よい。
ダシも、カツオ、イリコ、昆布などいろいろな具材が絶妙なバランスでブレンドされているのだろう、とっても美味しかった。
塩分が強いのは分かっているのだが、ついつい飲み干してしまう美味しさ。
麺は大でも、そこまで多くなく、美味しさも手伝ってペロリと完食。
大満足の美味しさだった。
次は「冷やしうどん」も食べてみたい。
そのときまでには、しょうがを入れるようにすすめられたときの上手な断り方も考えておきたい 笑
ごちそうさまでした。
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